2008年12月29日月曜日

The Loar LH-600



Fホールのアーチトップ・ギターに魅せられたのは、2006年2月のことだから、もう3年近く前のことになる。国産のPU付きアーチトップを始めて手にして、Fホールの魅力に取り憑かれて以来、Gibson をはじめたくさんのギターと巡りあうことができた。

Gibson ES-165HE(2003 / Fホール 1PU-Floating)
Gibson L-48(1950's / Fホール)
Gibson L-4(1946 / Fホール 1PU-Floating)
Gibson L-4(1948 / Fホール)
Gibson L-4(1930 / Rホール)*「一生モノのアコギを探す」に掲載
Gibson L-4(1933 / Rホール)
Gibson L-7(1939 / Fホール)
Ibanez GB-10(1990 / 2PU-Floating)
Ibanez PM-100(1996 / 1PU-Mounting)
others...

中でも、L-4の1946年製は、ケント・アームストロングのフローティング・ピックアップがインストールされたギターで、関西のジャズギタリストが使っていた素晴らしいギターだった。
また、同じくL-4の1948年製は、以前オールマン・ブラザースのグレッグ・オールマンが来日した際に、サウンドチェックされたという曰く付きのギターだった。

元々が凝り性なので、興味をもったらとことんまで行ってしまう。
冷めるのも早く、一定の目標を達成すると大規模なダウンサイジングを図って、また次の世界にのめり込むという繰り返し(困ったものです)。

苦労して入手したギターも、毎月1本づつ部屋から消えて行き、Fホール最後の1本となった、グレッグ・オールマンのL-4も、昨年の今ごろ手放してしまい、それから10ヶ月くらいの間は、残っているギターさえも触れない時期が続いた。

最近、どうしてもFホールのギターが1本欲しくなって、一昨日、都内のギターショップに行ってみると、Loar という聞き慣れないメーカーのアーチトップが置いてあった。その佇まいに “やられて” しまった自分は、WEBでこのギターを調べてみた。オールクラフトで丁寧に製作されており、ミュージシャンやギター専門誌の評価も高い。

昨日、決心をして試奏させてもらいに行った。
Fホールのアーチトップなら、Gibson を弾いているので目利き(耳利き)には少々自信がある。
弾いてみて、The Loar LH-600 に、完全に “やられて” しまった。

これほどよく鳴るFホールは、はじめてである。
1920年代の Gibson L-5 を忠実に再現したこのギターは、トップにスプルース、サイドとバックにメイプルを使用しており、1ピースのマホガニーネックとの相性もバッチリで、ジャズやブルースはもちろん、ジャンルを選ばずに使えそうだ。

*The Loar の名は、1920年代に Gibson がまだマンドリン・メーカーとして知られていた時代に マンドリンの最高傑作として知られる F-5 を生み出した Lloyd Loar が由来。

弦楽器への貢献者として、Lloyd Loar は、Antonius Stradivarius, Orville Gibson, Leo Fender, そして Christian F. Martin と並び評せられる人物で、電気キーボードやエレクトリック・ギター開発の始祖としても知られている。

The Loar 社は、マンドリンをはじめ、アーチトップギターの L-5 や L-4 といった1920年代の Gibson 製品を忠実に蘇らせることに情熱を燃やす、非常に楽しみな楽器メーカーだ。
日本国内の輸入代理店が決まってないのが不思議なほど、申し分のない質の高さをもっている。

2008年12月26日金曜日

望郷にまどろむ

佐倉 順二 氏作 「望郷にまどろむ」

絵画を買いました。
今までに、プリントの額装品は何度も買ったことがあるけれど、オリジナルの絵画を買うのは初めてのこと。15年くらい前に、一度だけ版画を買ったことがあるので、それを含めれば二回目ということになる。

「一点物の絵画を買うなんて、自分にはできない」とずっと思ってきた。アーティストとパトロネージュの関係を考えたとき、自分は後者には成り得ないだろうと思ってずっと生きてきたから。

ところが、2008年の12月中旬、この「絵」と偶然にも出逢ってしまった。“一目惚れ” とは、まさにこういうことを言うのだろう。

勇気をだして「この絵は売り物ですか?」と作家本人に訊いてみると「はい」と即答していただいた。さらに値段を聞いて、その交換条件が自分にとって現実的なのか非現実的なのかどうかで悩んでしまった。その場で即答したかったのだけど、原点にかえってもう一度考えるべきと思って、その日は “お茶を濁して” 帰ってきた。

絵画を買うなんて、贅沢者のすること。
自分がそんなことをして本当に良いのか...。
2日間考えて自分の出した結論は「買うべき」という答えだった。

「あの絵を必要とする人間は、(今は)きっと自分以外にいないのだ」と言い聞かせた。この機会を逃したら、きっと後悔するだろう。そう思ったら、その日の足は自然とギャラリーへと向かっていた。

今回の貴重な体験で “絵画を買う喜び” というものをほんの少しだけ味わえたかもしれない。個展が開かれている間は、自分の “所有物” となる絵画がそこに飾られている。
その絵を観る感覚は、今までのように “ただ観ているだけ” のものとはあきらかに違うものだった。好きな絵を観るという喜びを一歩超えた “至上感” のようなものがそこにはあったと思う。

昨夜、代金を持ってギャラリーを訪ねて行くと、絵はすでに梱包されていた。無理を言って、もう一度だけ飾ってもらったのは言うまでもない。

自分に課せられた次の “ミッション” は、この絵を持って年末に実家に帰ること。そして、今年亡くなった親父の眠る墓石の前で、この絵を父に観てもらうこと。

年を越す前に、やることがひとつ増えたことが、なぜか嬉しい。

2008年12月24日水曜日

光都 TOKYO - Ambient Candle Park




皇居外苑「和田倉噴水公園」 2008.12.23 iPhone 3G

照明デザイナー 石井幹子氏プロデュースによる、光都東京・LIGHTOPIA 2008 のアンビエント・キャンドルパークに行ってきた。皇居前のパレスホテルと隣接する和田倉噴水公園に、地球・環境・平和へのメッセージが書かれたキャンドルが並ぶ。著名人、地元の小学生たち700人の思いが、明かり絵となって灯っていた。

2008年12月22日月曜日

The Day the Earth Stood Still

The Day the Earth Stood Still(1951)

映画「地球が静止する日」を観てきた。上記の写真は、1951年公開のオリジナル版の宣伝用スチールで、1974年に発売されたリンゴ・スターのソロアルバム「Goodnight Vienna」のモチーフにもなっているアートワークだ。

観たのは、キアヌ・リーブス主演のリメイク版で、六本木のTOHOシネマズで12.19から公開されている映画だ。最新のSFXを用いて撮影されており、なかなかの迫力に仕上がっている。
ロボットの“ゴート”は、より巨大化してはいるが、体躯のデザインは忠実に再現されいて、ハリウッドのリメイクへの流儀を感じさせる作品となっている。

「The Day the Earth Stood Still」は、上記以外にも、横山光輝氏作「鉄人28号」「ジャイアントロボ」や、大映「大魔神」などに、明らかに影響を及ぼしている。

巨大ロボットの原型と考えられるのは、ユダヤ教の伝承のなかに登場する「ゴーレム」で、この題材をはじめて映画化したのはパウル・ヴェゲナー監督による1914年のドイツ映画「ゴーレム」である。
第一次世界大戦が勃発したこの年に、文明がもたらした環境破壊への戒めとして、このような題材の映画がつくられたことは興味深い。

2008年版「The Day the Earth Stood Still」は、クールなクラートゥを演じきるキアヌも良いが、勇気を持って地球のために孤軍奮闘するヘレンを演じるジェニファー・コネリーがオスカー女優らしい名演技を披露している。そして、息子役のジェイデン・スミスがとても可愛い。

科学的な論証はさておき、ヒューマンドラマとして観れば、観ておいて損はない映画である。

2008年12月16日火曜日

映画「ブロークン・イングリッシュ」

「ブロークン・イングリッシュ」のチラシ2種類

神宮前のカフェに置いてあったチラシを2枚もらってきた。
左のヴァージョンが最初につくられ、右が後からつくられたものだ。
WEBサイトのデザインは、右側のトーンが採用されている。

左が男性向け、右が女性向けにデザインされているのは明らかだ。
ジョン・カサヴェテスのファンは男性、ジーナ・ローランズのファンは女性が多いことに配慮して2種類作成したのだろう。

「デザイン」「コピー」「紙質」ともに、中々のクォリティで、この気合いの入り方からして、映画も期待できそうだと思った。

映画評は下記を読んでいただくとして、この映画はファッション的にも見るべきところが結構あって、カサヴェテスを知らない人でも充分楽しめると思う。
恋愛に対して臆病になっている人にも、ぜひ観てもらいたい。

2008年12月14日日曜日

Broken-English

ゾエ・カサヴェテス第一回監督作品「ブロークン・イングリッシュ」を観てきた。彼女は、インディペンデント・ムービーの雄、ジョン・カサヴェテスを父に、名女優ジーナ・ローランズを母に持つ、持って生まれた映画一族の出身だ。

名監督フランシス・コッポラの娘で、一足早く映画監督デビューを果たしたソフィア・コッポラとは親友同士で、共に父親の影響を受けつつも、現代の都会を若い芸術家的な目線から描こうとしている点では共通している。

「ブロークン・イングリッシュ」は、ゾエの実体験を基に描かれたラブ・ストーリーだ。初監督作品にして脚本も同時に手がけているところは、まさに父親譲りといえる。

この映画は、現代のアメリカの特徴でもある、女性の社会進出という一面の裏側をするどく描いてはいるが、決して重いものではない。

“さわやか”とまでは言えないが、苦悩しながらも自分なりの愛を見つけていくひとつの道標として、あるいは亡くなった親族に見守られているという人類共通の心情として、ジーンと心にしみわたる温もりをもった奥深い作品だ。

「人を愛するということは、自分との向き合い方を知ることでもある」と、この映画は教えてくれる。押しつけがましくではなく、この根幹をさらりとさわやかに描いている点で、ゾエ・カサヴェテスの素直さと、静かな才能が観る側に確かな手応えとして伝わってくる。

十数年ぶりに、生涯忘れられないだろう映画と出会うことができた。
ありがとう、ゾエ。そして、ありがとう、カサヴェテス。

2008年12月2日火曜日

The Philosophy of Andy Warhol

Andy is a thief.
アンディは泥棒だ。
Andy is a both swords. 
アンディは両刀だ。
Andy is a rich. 
アンディは金持ちだ。
Warhol is a genius.
ウォーホルは天才だ。
Warhol influenced everyone. 
皆、ウォーホルの影響を受けた。
Warhol influenced me of course. 
もちろん、僕も影響を受けた。

2008年11月29日土曜日

Andy Warhol '60 Style

青山の on sundays にポストカードを見に行ったら、Andy Warhol '60 Style というフィギュアが置いてあった。
maharishi と medicom toy が組んで、ウォーホルの生誕80周年を記念して限定販売したものだそうだ。
スタイルが Cool だし、生地と縫製も Good !

2008年11月26日水曜日

プチ広告

エアキャップ(bubble wrap)のサプライヤー、CROWN のプチ広告。
一つ一つのプチプチのなかに、日常的にエアキャップに包まれてそうな商品の写真が印刷されている。
普段、何気なく使っているエアキャップも、こうして見ると POP ART のように見えてくるし、キャッチコピーが無くとも、伝えようとしているロジックは、広告表現として非常に明解だ。

2008年11月17日月曜日

Tokyo iShot 02

Tokyo Midtown Starlight Garden
iPhone.  2008.11.15

東京ミッドタウンで11月13日から始まったイルミネーションの目玉が、この Starlight Garden。
6つの冬の星座、北斗七星、カシオペア座、ふたご座、ぎょしゃ座、オリオン座、おうし座が庭園に仕掛けられたLEDのなかに浮かびあがる。30分に1度流れ星を見ることができるので ネガイボシ のリアル版コンテンツといえなくもない。

2008年11月16日日曜日

TOKYO iShot 01

Minami Shinjyuku Street
iPhone + Toy Camera.  2008.11.15

土曜日の午前中、千駄ヶ谷〜代々木〜南新宿のルートで、街歩きPHOTOしてきた。
「代々木から南新宿へ少し足を延ばすと、面白い風景に出会えるよ」
代々木在住の友達から前日の晩に教わったので、さっそく散歩して撮った一枚がこれ。

2008年11月11日火曜日

アンドロイドは開発者の夢を見るか?

Google Phone のプラットフォームの名称は「Android」。
10月22日にアメリカで発売された世界初の Gphone は、台湾の HTC 製で G1 という機種だ。
(上記写真はアンドロイド搭載機のプロトタイプ)
2年契約で179ドル(約1万8000円)という安値で供給され、すでに150万台以上の予約が入っていると報道されている。

昨年の11月にNTTドコモ、KDDIを含む世界中の携帯キャリアや、端末メーカー、半導体メーカー、ソフトウェアメーカーが30社以上参加する OHA (Open Handset Alliance) が結成され、予定通り2008年10月22日に1号機の G1 がアメリカで発売された。

OHAのメンバーは、このサイトで発表されているように、日本からは携帯キャリアのNTTドコモとKDDIしか参画しておらず、端末メーカーにいたっては一社も参加していない。
アンドロイドが、Windows のような世界標準プラットフォームになるには、まだまだ越えなければならないハードルが残されているのだ。

7月から iPhone を使っている自分としては、タッチパネルの快適さや使い勝手、iPhone や iPod Touch 用に開発されたアプリケーションの面白さから、アンドロイドにも一層の期待を抱いてしまう。国内発売されるのが楽しみだ。

Google は、かつての Microsoft がそうだったように、プラットフォームの開発に専念しているように見える。Windows と大きく異なるのは、アンドロイドがオープンプラットフォームとして無償で OHA に供給されている点だ。

OHA はその名称が示すとおり、各社が持つ特許や技術をオープンにして、次世代携帯端末を共同で開発していくものである。ソフト開発者向けには、ベンダー向けの Eclipse プラグインとして、Android SDKという開発ツールをリリース済みだ。

グーグルは、ADC (Android Developer Challenge) と題したアプリケーション開発コンテストを2008年の上半期に実施しており、総額で1,000万ドル(10億円)の賞金が、競争を勝ち抜いたデベロッパーに支払われている。
(OHA の公式サイトで、ADC アワードに選ばれたソフトウェアを見ることができる)
多くのデベロッパーは、実機の無い状態で開発を行ったことになる。実機発売後に開発ソフトをリリースした Apple とは対照的だ。

プラットフォームとしてのアンドロイドは、はたして開発者たちの夢を見るのだろうか?

2008年11月9日日曜日

H&M原宿店 OPEN

H&M原宿店
 THE ICE CUBES 1-8-10 Jingumae Shibuya-ku Tokyo
 iPhone 3G + Toy Camera.  2008.11.08

H&Mの原宿店が昨日オープンしたので、さっそく行ってきた。
ニュースでは、2,000人の長蛇の列ができていると聞いていたのだが、午後3時過ぎに行ってみるとそれほどでもなかった。
(明治通りをはさんで反対側から撮影したのが上記の写真)
B1から地上3Fまでがショップで、メンズはB1、1Fから3Fまでがレディースという構成だ。

運良く、最後尾列が歩きはじめたところに混じって行進すると、ほとんど待つことなく店内に入れた。

オープン初日の目玉は、何と言っても Comme des Garçons とのコラボレーションで、世界的デザイナーの川久保玲が、H&Mのためにレディースとメンズのフルコレクションを手がけたのがポイント。

世界各地の200店舗でも11月13日に同じものが発売されるので、慌てて行く必要はないが、原宿の新店舗オープンに合わせた VIRAL ネタとしては、なかなか面白いと思った。

ちなみに Comme des Garçons のメンズ用スーツは上下で4万円くらいと、なかなか頑張っている。

2008年11月5日水曜日

LOVE


amaztype で LOVE を Search してみた。メディアは MUSIC 。
検索にヒットしてくるアルバムカバーを見ると、意外にも名盤が少ないような気がする。個人的にすぐに思いつくのは、John Lennon の名曲「LOVE」だ。
ピアノとアコギだけのシンプルな伴奏に、ジョンのボーカルがせつなくひびく。

Love is real, real is love,
Love is feeling, feeling love,
Love is wanting to be loved.
愛は真実 真実が愛
愛は感じること 愛を感じること
愛は思うこと 愛されたいと思うこと

Love is touch, touch is love,
Love is reaching, reaching love,
Love is asking to be loved.
愛は触れること 触れることが愛
愛は伸ばすこと 愛に手を伸ばすこと
愛は頼むこと 愛してくださいと頼むこと

Love is you, you and me,
Love is knowing we can be.
愛は君 君と僕
愛は知ること 僕達が愛になれることを

Love is free, free is love,
Love is living, living love,
Love is needing to be loved.
愛は自由 自由が愛
愛は生きること 愛を生かして生きること
愛は必要であること 愛される必要があるということ

written by John Lennon

これだけシンプルに綴られた LOVE SONG は他に見あたらない。
数年前に発表された、ギターの弾き語りヴァージョンの LOVE も GOOD です!

2008年10月14日火曜日

UP Report


ニコンの新製品 UP が気になったので、表参道ヒルズのショールームで Touch & Try してきた。

ショールームで商品を眺めていると、スタッフが使い方を教えてくれた。
ヘッドフォンから提灯鮟鱇のルアーのように突き出たモニターは、ユーザーの効き目のほうに合わせるのだという。

自分は右目が効き目なので、モニターが右側になるようにヘッドホンを装着する。
ニュースソースでは「約1m先に17インチのディスプレイ像が浮かぶ...云々」と報道されていたのだが、実際に見える画面は、とても平面的かつチープなもので、ガッカリしてしまった。
こどもの頃、グリコのおまけに付いてきた「ムービースコープ」を彷彿とさせる画面なのである。

人間の目は、左右の目で焦点を結び、網膜から神経組織を通じて脳に視覚情報を伝え、そこで立体的な光の像を認識する。つまり、片方の目では立体的な像にはならない。
これは、普通のTVモニターでも同じことで、私たちは自分とモニターとの距離を認識しながら平面的なTV画像を視聴している。

ムービースコープのように見えるのは当たり前なのである。

原理からいえば当然なのだが、半透明のスクリーンが1m先の空間に浮かぶような視聴感を期待していた自分にとって、どうもピンとこなかったというのが正直な感想だ。
宣伝文句の「エア・シアター」というキャッチコピーが何とも虚しい。

ちなみに、左右両用の設計なので、ヘッドフォンはL/R(位相)が逆になることがある。質問してみたところ、位相の切り替えはスイッチで行えるとのこと。

商品のアイデアとしては面白いし、新たな可能性も感じさせるだけに、今後の改良に期待したい。

2008年10月8日水曜日

Nikon UP !


Nikon の Up(ユーピー)WEBサイト
非常に快適な Flash で、BGM というより Ambient Sound Effect といった感じのサウンド・テクスチュアがいい感じだ。
画面だけでなく、マウスに反応して音も変化する。この音のツブツブ感が、何とも耳に心地よい。

光学メーカーの Nikon が、こういう製品を出すのも面白いと思った。
製品もそうだし、WEBサイトのつくりひとつをとっても、かつての SONYっぽい。

まだ、商品に触ってないので、どんなものかはわからないが、映像モニターとヘッドホンきのVR(ヴァーチャル・リアリティ)型 iPod と言えば良いか。

「ディスプレイ、ヘッドフォン、AV再生機能、無線LAN機能」という仕様なので、AV試聴用につくられているようだが、モバイル・コンピュータと連携できるのなら、一種、革命的な商品といえるかもしれない。

映像モニターにマイクを付けて、WEBにアクセスできれば、いつでもどこでも Skype を楽しむこともできるだろう。
さらに、3D映像、サラウンドなどの機能が増えれば、映像ソフトの新しい楽しみ方ができそうだ。

久しぶりに、ワクワクするプロダクトが Made in Japan から出てきた。

2008年10月3日金曜日

NEU! MUSICA

New Music, New Life. 
「新しい音楽って何だろう?」
音楽の嗜好は人によって千差万別だし、何を新しく感じるかは、その人のセンス次第。

1971年に結成されたドイツのロックバンドに、NEU! というグループがある。ドイツ語で Neu(ノイ)とは「新しい」という意味。
1972年から1975年にかけてリリースされた3枚のアルバムは、すべて手描きの NEU! という文字だけのデザインという、新鮮なものだった。

36年前の「新しい音楽」に興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。
最初の3曲が NEU! によるもの。4曲目以降はオムニバスです。

※mixwit は、残念ながら2008年12月でサービスを停止しました。

New Music, New Life.


テレビを見ていたら、某テレビ局のスローガンらしきキャッチコピーが目に入った。
No TV, but TBS. というコピーが、J.F.ケネディが演説する映像を背景に大きく重なるというもので、どれくらいの露出頻度で、どれくらい本気なのかはわからないが、もう少しひねりがほしなと思ってしまった。
現代アート作家、Barbara Kruger の作風を模倣しているのは一目瞭然で、キャッチコピーは、タワーレコードの有名な No Music, No Life. をヒントにしているのも明らか。
そんなわけで、自分なりにパロディをつくってみたのが上記の画像也。

2008年9月26日金曜日

日本CM史上の最高傑作!


音楽、コピー、映像、そのどれをとっても完璧な作品。
一分間に凝縮された様々な人間模様。
長尺の映画ではない。
たった一分のCMのなかに、幸せや哀しみ、喜びと怒り、愛と憎しみの
すべてが詰まっている。

人生のドラマツルギー。
こんなCMを見せられたら、黙ってウイスキーを飲むしかない。
そんな気にさせられる、日本CM史上屈指の名作です。

2008年9月25日木曜日

Abbey Road Fixed Point Animation


Beatles の Abbey Road がレコーディングされていたのは、ちょうど40年前の今頃。そんなわけで、Photo Collage による定点観測アニメをつくってみました。40年という月日を超えた時空が交錯します。

Abbey Road Street View



現在の Abbey Road の写真に、Beatles の Album Cover を載せてみた。
写真を撮った位置や、レンズの口径が異なるので、位置を正確に合わせることは難しいけど、試行錯誤して合成したのが下の写真。
Album Cover は、ジョンの友人のカメラマンが撮影したそうだが、かなり広角レンズで少し高い位置から撮影しているのがわかる。
ちなみに、Abbey Road の映像を Live で見たいなら Click Here
ここで記念撮影してると、このカメラにバッチリ映っちゃうというわけ(笑)。
Street View をチェックしたら、まだ公開されてなかった。
Google Car in London の目撃情報はあるので、そのうち Up されそうだ。

70's Future


70' Future とは、70年代的な未来という意味で私が使っている造語です。1970年にタイムトリップしたい方は、Play ボタンを Click してください。

photo mix01


Slide のスライドショーを試したくて、お気に入りの写真を  Mix してみました。映画の1シーンのような女性の写真は、Alex Prager の作品。

2008年9月16日火曜日

Faust Tape


Faust を聴いてみたい方は、再生ボタンを Click ! シュールでアヴァンギャルドな、'70年代ドイツの音をお試しあれ。(毒入り危険 !?)

※mixwit は、残念ながら2008年12月でサービスを停止しました。

2008年9月15日月曜日

FAUST が東京に来ていた!?


何と!
ドイツが誇る、インダストリアル・ノイズ・ミュージックの雄、FAUST が東京で来日公演を行っていたらしい。
しかも、公開レコーディングLIVEと銘打ったもので、恵比寿LIQUIDROOMと、六本木SUPERDELUXEで計3回のパフォーマンスが、2008年9月6日から3日間、東京で行われたようだ。

FAUST といえば、現代音楽のミュージック・コンクレートの手法を用いて、テープコラージュを巧みに駆使したデビューアルバム「FAUST」を1971年にリリースした伝説のロックバンドである。

音楽はもちろんのことだが、最も衝撃的だったのは、拳骨のレントゲン写真をモティーフにしたアルバムデザインだった。オリジナルのアナログ盤は、レコードからジャケットまですべて透明のヴィニールに統一され、赤文字でタイピングされた歌詞を背景に、FAUST(拳骨)の文字とレントゲン写真がシルク印刷された、凝りに凝ったアートワークだった。

バウハウスという近代デザイン様式を生み出したドイツ人ならではの、ロックという流行音楽に対するニヒリズムがこのデザインからは強烈に感じられ、実験音楽を透明の塩化ヴィニールでパッケージした、ひとつのインダストリアル・アートと呼べる作品だった。

この作品における FAUST のパフォーマンスは、ある意味、リスナーがアルバムを購入するところで始まり、封を切った瞬間に終了してしまう。それは「毒入り危険」と書かれた食品の袋を開けるようなものだ。レコードに針を降ろしても、FAUST のシニカルな仕掛けに翻弄されるばかりで、真の音楽性はカモフラージュされたまま決して証されない。パッケージの透明性とは裏腹に、中身は限りなく不透明なのだ。

1.Why Don't You Eat Carrots?(ニンジンを召し上がる?)9:34
ホワイトノイズが歪んでいく導入部を経て、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」、ビートルズの「愛こそはすべて」のサウンド・コラージュが印象的に使われた後、重いピアノの序奏から滑稽な3拍子のテーマへと受け継がれ、その後はテープの逆回転やサウンド・エフェクト、アナログ・シンセによる擬音を駆使した変幻自在の遊び〜雨音〜男女の会話〜ピアノのブリッジ等を経て、ふたたび3拍子のテーマで終わる実験的な組曲。

2.「Meadow Meal」(草原食事)8:05
何かを伐採しているかのような生音に、アナログ・シンセの擬音が重なり、ピアノの弦を擦る音、ドアの開閉音、パーカッショナルなサウンド・エフェクトが続いた後、アコースティック・ギターの序奏に続いて、英語による無伴奏のラップが展開され、その後はドラムのフィルインからディストーションの効いたギターによる即興演奏が繰り広げられていく。
ふたたびラップのシークェンスを挟んで、雷の生音が数分流れた後、パイプオルガンによる静かなコーダで幕を閉じる。

3.「Miss Fortune」(フォーチュン嬢)16:36
第一部は、ギターとベースのインプロビゼーションで始まり、CAN にも通じるハンマービートが刻まれながら、ワウワウを活かしたギターの音がフューチャーされる。
バックの演奏そのものは、グレイトフル・デッドの即興演奏にも通じるもので、このアルバムで唯一、FAUST のバンド演奏的な音を聴くことができる。

第二部は、歪んだギターのフィードバックとパーカッションによる序奏で始まり、黒魔術的な歌声にピアノとドラムによる伴奏が続き、ふたたびギターを含めた即興演奏へと発展していく。

第三部は、ピアノの序奏に続いて男の雄叫びのループで始まり、メロトロンによる擬音、サウンド・エフェクト、エレクトリック・ギターによる擬音、等々で構成されたサウンド・コラージュが続いていく。
最後に、アコースティック・ギターのアルペジオをバックに、肉声による単語のやりとりが繰り広げられ、"Nobody Knows if it Ever Happened"という人を食ったような合い言葉で、16分半に及ぶ組曲が幕を閉じる。

今回、「FAUST」とセカンドアルバム「SO FAR」がカップリングされたCDを久しぶりに聴いてみて、音の断片にまったく古さを感じさせないどころか、37年を経てもなお新鮮に聴こえるのに驚いた。今思えば、当時はアートワークのインパクトが強すぎて、肝心の音楽のほうは印象に残っていなかったのだ。
iTune で聴いて、はじめて FAUST の音楽と向かい合うことができたのは、何とも皮肉なことだが、デジタル化された FAUST のほうが彼等の音楽性に合っているような気がするのは自分だけだろうか。

「FAUST」で聴くことのできるサウンド・コラージュは、ピンク・フロイドが「狂気」の後、レコーディングしていた「Household Object」に通じるものである。楽器を一切使わず、日常家庭用品や自然音のみでテープ編集されたその作品は、未発表のままだが、もし完成されていれば「FAUST」のような作品となっていただろうことは想像に難しくない。

一方「FAUST」で所々聴ける音の随所に、また「Meadow Meal」などのタイトルからもわかるように、ピンク・フロイドの「原子心母」の影響を感じさせることや、セカンドアルバムの「SO FAR」における曲づくりが、シド・バレット在籍時の初期ピンク・フロイドのサウンドに通じる点も興味深い。

FAUST による、確信犯的な実験音楽については、真面目に議論されることもなく、長い月日が経ってしまったが、サウンド面についてもドイツのアシュラなどと同様、今だからこそ再評価されるべき音楽のひとつといえる。
20世紀の大量生産的なインダストリアルとは明らかに対をなす、シュールな音の断片が心地よい。

2008年8月29日金曜日

monophonica mix 03


渋〜い、Guitar Music を集めてみました。秋の夜長にピッタリかも。粒ぞろいですよ!

※mixwit は、残念ながら2008年12月でサービスを停止しました。

2008年7月8日火曜日

Sgt.Pepper's の謎



Sgt.Pepper's のアウトテイク写真。
2枚の写真を間違い探し的に検証してみると、アルバムカバーに隠された、いくつかの秘密が浮きあがってきたので、気がついたところを並べてみます。

その1. ジョンの右肩に隠れて見えなかった位置に、アインシュタインの肖像がある。

その2. マダム・タッソー蝋人形館から借りてきたとされる、若き日のビートルズ人形の左横に立っているソニー・リストンの肖像は、ハリボテではなく蝋人形の可能性が高い。

その3. BEATLES の文字で飾られた花壇装飾は、読みやすくなるよう明らかに修正されている。

その4. ジョージの陰に隠れている場所に、2人の肖像(人名不明)が存在していた。

その5. バスドラムに描かれている文字と模様は、読みやすくなるよう修正されている。

その6. 右端のダイアナ・ドーズ(金髪女優)の上部に、ガンジーの肖像が存在していた。
(当時の政治的な理由から、EMIの判断によって削除)

その7. 最上段右端のボブ・ディランから3番目の位置に、レオ・ゴーシー(俳優)の肖像が存在していた。(肖像権以外にもギャラを請求されたため削除)

2008年7月3日木曜日

kusudama レシピサイト


楽しいシピサイトを見つけました。レシピといえば、無造作に料理写真と材料、作り方が配置されたものが多いなか、このサイトは閲覧する楽しみを感じさせるつくりになっています。レシピの生命線といえば、やはり料理のシズル感。
料理の写真を中心に、あくまでシンプルなインターフェースに徹してつくられています。

2008年6月29日日曜日

plastic landscape

Alex Prager  ;  Nancy

プラスティックな風景。
もはや、こんな言葉さえ...ある種の憧憬を感じる時代なのかもしれない。舞台装置でもなければ、書き割りでもないのに、リアリティを失っている街並。そして、機上からそれを見下ろす、皮膚感覚から程遠い存在感を持った少女。

短い露光で背景を流さず、強い斜光が少女の髪にあたり、反射した色がテーブル上の紅茶と対をなしている。少女のコントラストも絶妙。何気ないキャンディッドなのに、一種異様で、静かな興奮を感じさせる一枚。

monophonica mix 02


初代ウォークマンには、ヘッドホンジャックが2個ついてたのを知ってますか? 街を歩きながら二人で聴くのに合いそうな Love Songs です。

※mixwit は、残念ながら2008年12月でサービスを停止しました。

2008年6月11日水曜日

Mark Rothko "Silence is so accurate."

完成した芸術とは、観念的な生しか持ち得ない。
だからこそ、観念を越えた美を持ちうる。


Rothko
No.14, 1960 - SFMOMA

2008年6月5日木曜日

monophonica mix 01


Mixwit ではじめてつくったテープです。Krautrock から Jazz、Ambient、Deep Soul と、なんでもありの Cool なオムニバス。

※mixwit は、残念ながら2008年12月でサービスを停止しました。

muxtape


WEB上に自分の好きな曲をアップロードして、共有して自由に聴いてもらえるサイトの紹介です。その名は muxtape
使い方はいたってシンプルで、pantone のようにカラフルなリンクを押したら、表示された曲をクリックするだけ。
もちろん、登録もカンタンに行えて、アカウントを持てば自分のテープ(play list)を持つことができます。
世界中のユーザーがアップロードした曲を、ジュークボックスのように、いともカンタンに聴くことができます。
プレイリストは12曲までですが、ちょうどカセットテープに入るくらいの容量なので、使いやすくて、わかりやすい。
こういうシンプルさって重要だな〜って思います。
さて、知的所有権的にはグレーゾーンの muxtape ですが、今後どうなっていくかが注目されます。
早速、自分のテープをつくってみました。monophonica_records mix
※muxtape は、残念ながら2008年8月でサービスを停止しました。

2008年6月4日水曜日

memotron


今、理屈なしに欲しいと思うものって、ありますか?
もし、自分が聞かれたら、即座に答えるだろうプロダクトがこれ。
そう、メロトロンもとい「メモトロン」
本来なら、本家本元のメロトロンが欲しい!と言いたいところだけど、そんな贅沢を言うつもりはありません。
音色だけなら、サンプリングで充分なのだろうし、懐古趣味に浸るつもりもありません。
ただ、デザインを含めた“モンド感”がたまらなく物欲指数を刺激してくれたのが、このmemotronなのです。
これを見て、思い出すのが、macintosh portable。
apple computer初のポータブル・コンピュータとして開発された、モンド感あふれる逸品です。
メロトロンが世に出たのが、1967年頃。マッキントッシュ・ポータブルが世に出たのが、1986年。メモトロンが世に出たのが2006年。
20年周期で、白くて妖しいモンド・プロダクトが、絶対にヒットし得ないオーラと、孤高のインダストリアル魂をもって生まれてくるのは、何かの偶然なのだろうか?

それにしても、この“モンド感”、何かバイブレーションを感じません?

2008年6月3日火曜日

motion portrait

面白いサイトを見つけました。
motion portraitという技術を使った、このサイトです。
クリックすると、まるで生きてるようにWEB上で動く女性の顔が出てきます。
たった一枚の写真から生成できるそうです。

text to speechという音声合成技術で、言葉をしゃべることもできます。
「初音ミク」などのvocaloidソフトと連動させれば、デスクトップやWEB上で唄うこともできるでしょう。

アバターとしてのブログパーツや、WEBナビゲーターとして等、使い方次第では様々な可能性を感じる技術ですね。