2009年6月20日土曜日

Gibson L-1(2002年製)


Gibson L-1(2002年)カスタムショップ製。我が家の Gibson はこれで4本。すべてアコースティックギターである。はじめて買った Gibson は、20代の頃に手に入れた ES-335 で、アイボリーの塗装に黒のPUが付いている珍しいギターだった。
銀座の山野楽器で新品を買ったのを憶えている。

それから数えて13本目の Gibson がこの L-1 ということになるが、楽器をはじめた頃からずっと使いつづけているギターというものが自分にはない。何か理由をつけては、新しい楽器を入手したり手放したりを繰り返しているのだが、つまるところ空間的にも金銭的にも余裕がないのだから仕方がない。

今年の春に、Robert Johnson モデルの L-1(Valley Arts Guitar)を入手したので、この L-1 は2本目である。L-1 の歴史は古く、アーチトップの初代モデルが発売されたのが1902年、フラットトップの二代目が発売されたのが1926年である。今回入手した L-1 は二代目のフラットトップを復刻したレン・ファーガソン在籍時のカスタムショップ製。

L-1 の魅力は、コンパクトなサイズからは想像できない音量と、エッジの効いた独特なブルージーな音色。1930年代に録音された Robert Johnson の音源は、録音技術の問題で Hi-Fi で聴くことはできないが、当時、演奏を生で聴いた聴衆はさぞかし驚かされたことだろう。

音はまだ若いこの L-1 だが、弾けば弾くほど鳴ってくれるはずだ。

L-1の音を聴きたい方は、以下をクリックしてください。

2009年6月8日月曜日

JUMPIN' JACK FLASH

Rolling Stones の No.1ヒット曲、Jumpin' Jack Flash のイントロのギターリフは独特の音だ。
キースによれば、Gibson の Hummingbird を使って、ナッシュビルチューニングで弾いているそうだが、特殊な弦の張り方をしなければならず、なかなかあの音を出すのは難しい。

キース本人でさえ、ライブではイントロを省略して弾いており、Shine a Light のオープニングでもそれは同じだった。

ところが、先日入手したFホールのアーチトップギターを使うと、何故かノーマルチューニングであの音が出るのである。

キーはノーマルチューニングで、A#~Bなのだが、このギターで弾くと、まるで変則チューニングのような音が出るのがおもしろい。

ところで、この HAIDA Guitar という謎のアーチトップギター、調べてみたところ、1928年から戦後にかけて日本で活動していた日系2世のハワイアンミュージシャン、灰田晴彦の名前を冠したギターのようである。いわゆる、鉄線ギターのFホール版とも考えられるが、ハワイアンミュージックの伴奏用ギターとして作られたものかもしれない。

チューニングが安定せず、巻き上げもきつかったのでペグを新しく交換したのだが、その際にヘッドも戦前の Gibson 風に改造した。トップにびっしり入ったウェザーチェックと合わせ、雰囲気だけは貫禄充分?である。

ヴィンテージの Gibson ではおなじみのウェザーチェックだが、これはニトロセルロースラッカーという樹脂を使ったフィニッシュ特有のものである。

普及品のギターには、ポリウレタン塗装がされていることが多く、こちらは天候への耐久性が強く皮膜も厚いためチェッキングがはいることはない。つまりフィニッシュ(保護膜)に関しては、高級なギターほど経年変化が起りやすいのである。

最新の技術を取り入れてきた他の工業製品と違い、ひび割れという欠陥が起ろうともフィニッシュを変えなかった Gibson の頑固さが伝わってくる話だ。

2009年6月6日土曜日

"SHINE A LIGHT" ROLLING STONES

マーティン・スコセッシが撮った、ストーンズのライブ・ドキュメンタリー「シャイン・ア・ライト」を観てきた。

スコセッシといえば、デ・ニーロと組んで撮った1976年の「タクシー・ドライバー」があまりにも有名だが、監督デビュー前に、ライブ・ドキュメンタリーの傑作「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」の編集を手がけている事はあまり知られていない。ロック界とハリウッドという、エンターティンメントの最高峰同士が組んだ映画という点も興味をそそられた。

ライブ・ドキュメンタリーの一番むずかしい点は、おそらく映画としての軸をどこにもってくるかという点に尽きるだろう。

「ウッドストック」では、フラワームーブメントを象徴するイベントだったこともあり、アーティストのみならずオーディエンスも主役に置くことで時代の空気を写しとろうとした。

「バングラディシュのコンサート」では、ロック界初の大規模なチャリティ・コンサートということ自体がコンセプトだった。

本作には、還暦を過ぎたロックバンドということ以外、軸になりうるテーマはない。
そこで、スコセッシは自らをストーンズ(とりわけミック)と対立させるという手段を用いて、単なるドキュメント映画に終わらせない演出を加えている。

ぎりぎりまでセットリストが決まらないという話も、舞台セットのデザインで意見が食い違うというエピソードも、すべて演出なのかもしれない。一体どうなることやら...そんなスコセッシ側の不安を軸に映画は進んでいくが、ライブが始まってしまえば、もうストーンズの独壇場である。

映画の中でもっとも興味深かったのは、インタビュアーが本音の質問をキースにぶつけるところ。
「ロニーに、キースと自分ではどっちが上手いと思う?と聞いたら『オレに決まってるだろ』って言ってました。あなたはどうですか?」
こう切り出されて、キースはこう答える。
「ふたりとも下手だけど、オレたち二人がそろえば最強なんだ」

途中、ゲストにバディ・ガイが登場して、一瞬食われそうにもなるが、ステージを去る際、キースが使っていたギターをバディにプレゼントするあたり、格の違いを見せつける。
ストーンズが、並外れたスーパースターであることを、あらためて実感させるシーンである。

終始、タイトなリズムを刻み続けるチャーリー・ワッツの、いぶし銀の魅力が印象的だった。

2009年6月2日火曜日

The Little Black SongBook & Pignose

ポケットサイズの楽譜で、歌詞とコードだけのシンプルなものはないかと探して見つけたのが、この Little Black SongBook 。
ペーパーバックサイズに、Beatles の楽曲が195曲も載っているスグレモノである。弾き語りには、シンプルな譜面のほうが使いやすい。
タブ譜付きのものだと、曲が1Pや2Pでは収まりきれず、演奏中にページをめくらなくてはならないからだ。洋書だが、譜面は全国共通。
Beatles 以外にも、Bob Dylan、Paul Simon、Eric Clapton、Oasis、Coldplay などがラインアップされている。
ピグノーズなどのミニアンプと一緒に持ち出せば、どこでもライブが行える手軽さが Good!