2011年4月10日日曜日

Rider by Headway RYG (Gibson L-00 モデル) サドル調整

Gibson L-00 のコピーモデル、Rider by Headway RYG のサドルを交換した。実はこのギター、ほとんど原型をとどめておらず、ヘッドは1930年代風に。ペグは GOTO のクルーソンタイプに。ピックガードはトーティスの鼈甲柄にリメイクされている。

5、6弦をもっと切れ味の良い音にしたくて、もともと付いていた樹脂製のサドルから、牛骨サドルに交換することにした。ナットの成形は経験があるが、サドルの成形は今回がはじめて。

大きめの四角い未加工のサドルを万力で固定し、ダイヤモンドカッターで時間をかけて成形することに。作業から2時間強を費やして、なんとか元のサドルと同じ形にすることができた。

弦を張ってみると、6弦と1弦がすこしビビっている。弦の接触面を面取りする際に少し削りすぎたようだ。シムを挟むと音が変わってしまうので、タイトボンドをサドルの下面に塗って、そのまま一晩乾燥させることに。今朝、起きてからさっそくサドルをセットしたところ、ビビリはなくなって弦高も低くセッティングできた。

さて、音の方はどうなったかというと、交換前より1〜3弦はだいぶシャープになっているので、効果はあったようだ。次はナットも含めてTUSQに交換して音を試してみたいと思う。

2011年4月9日土曜日

Blue Mitchell "Bring it Home to Me"

ブルー・ミッチェルのアルバム「ブリング・イット・ホーム・トゥ・ミー」と聞いてピーンとくる人は、かなりのジャズ通だ。何せブルーノートの4228番なのに、一度しか再発されていない幻のアルバムである。

オリジナル盤が発売されたのは1966年。当時、ブルーノートなどのハードバップ系ジャズは完全に力を失っていた時期で、同じ時期のラインナップをみても印象の薄いものばかり。当時、売れっ子だったリー・モーガンやハービー・ハンコックらが取り入れた8ビートやボサノヴァのエッセンスは、このアルバムにも色濃く反映されている。ブルー・ミッチェル(tp)と、ジュニア・クック(ts)による2管編成で、ホレス・シルバー・クィンテット時代の流れを汲む典型的なブルーノートサウンドに仕上がっている。


このアルバムとの出会いは、渋谷の百軒店にあったジャズ喫茶「音楽館」で聴いたのが最初で、およそ18年前のこと。当時、自分は松濤のアパートに居候していたので、仕事帰りによくこの店に立ち寄ったものだ。「音楽館」の店主もこのアルバムが好きだったようで、よくかかっていたのを覚えている。

以来、中古レコード店に行くと必ずチェックしてきたが、お目にかかったのは2回のみ。一度目は再発盤だったが5千円弱。二度目はオリジナル盤で3万円超。高すぎて手を出せずじまいだったが、今日、お茶の水のジャズ専門店を覗いてみたら、なんと輸入盤でアナログが再発されているではないか! 本当はCDで欲しかったのだが、今後再発される見込みも薄いので買ってきた。

 当時住んでいた松濤のアパートは取り壊され、「音楽館」も閉店してしまった。自分にとって、あの時代を懐かしむことのできる思い出の一枚だ。

2011年4月3日日曜日

Gibson L-50 リペア

昨年の夏に入手した1950年代の Gibson L-50 をリペアすることにした。
一番の問題は、前オーナーによって交換されたクルーソンタイプのペグがきちんと装着されておらず、チューニングが安定しなかったところ。この時代のL-50に付いていたオリジナルペグは、レスポールと同型の四角いつまみと、丸形のつまみの2種類が混在していたので、ペグは交換せずそのまま使うことに。リペア前は、もとのビス穴に無理に装着したため、片方のビスが最後まで閉まらず、ロトマチック部分が浮き上がっている状態だった。
まずは、弦をすべて外してからトップにダメージを与えないようテールピースにマスキングテープを貼る。この状態で、ボディ、ネック、ヘッドすべてをクリーニング。

指板は乾燥しているので、オレンジオイルをたっぷり塗り込む。

次に、ペグをすべて取り外す作業。驚いたのは、ヘッドに埋め込んであるはずのブッシュがすべて床に転がり落ちたこと。前オーナーがペグ穴を広げすぎたためだ。
当然ペグはグラグラの状態で、これでは安定するはずがない。

パーツを紛失しないよう、皿の上にのせてから、ペグ穴の補修にとりかかる。爪楊枝の先にタイトボンドを付けて一本づつペグ穴に差していく。すべて差し終わった後、一晩この状態でボンドが固まるのを待つ。

翌朝、固まった爪楊枝をカッターで切断。普通ならここでペグの取り付けに入るのだが、今回はブッシュがきちんとはまるように、削りすぎたペグ穴を埋めなければならない。考えたあげく、タイトボンドを円上に塗り重ねていくことにした。

この状態で一晩置いてから、次の日にペグの取り付けを行った。ペグ穴は補強されていたが、さすがにタイトボンドは強力で、ブッシュの埋め込みに少し手こずった。埋め込みには穴あけ用の金属ポンチとハンマーを使用した。(強く叩きすぎるとヘッドが割れるので要注意)

さて、いよいよペグの取り付け。ビスが傾かないようにゆっくりとドライバーで締めていく。片方が1/3くらい締まったら、もう片方のビスを同じように締め、交互にすこしづつ締めていく。これで、がたつきなく6個すべてのペグを装着することができた。

リペアが終了したL-50(写真下)。