2014年11月19日水曜日

KONICA C35 EF アンディ・ウォーホルのカメラ 2

コニカのC35 EFは、ピッカリコニカとして1970年代半ばに大ヒットしたカメラです。このカメラが発売されるまでは、ストロボは外付けが普通でした。フラッシュ=消耗品という印象がまだ残る時代に、ストロボを内蔵するという逆転の発送から生まれたカメラなのです。

昭和の大ヒット商品として、この商品が発売される前の人気カメラだったオリンパス・ペンの後を継いで、一家に一台の座を獲得した国民的カメラといえるでしょう。



普及機なので、作りは安っぽいと思われがちですが、このカメラには軍艦部と底部に金属が使用されており、意外なほど高級感があります。

ちょうど2年前の1973年に発売されたライツミノルタCLの影響もあったのでしょう、金属の質感はCLに相通じるものがあります。






レンズは銘玉と謳われるヘキサノン38mm F2.8。4点ゾーンフォーカスと距離計は簡略化されていますが、ファインダー内でも距離を表すアイコンが確認できる仕組みとなっています。

フィルム巻き上げレバーとシャッターの感触もなかなかで、これもCLを彷彿とさせるものです。

さすがにファインダーの見えはCLにはかないませんが、レンズ性能ではMロッコール40mm F2と良い勝負ではないでしょうか。

さて、このカメラはあのアンディ・ウォーホルも愛用していたことで知られています。ウォーホルは、このカメラ以外にも、チノンやキャノンなどのコンパクトカメラを使っていたそうです。

あえてこうした普及機を愛用したのは、大量生産品であるコカコーラやキャンベルスープをモチーフにポップアートを世に送り出したウォーホルらしい選択といえるのではないでしょうか。

オレンジのボタン操作でストロボがカチッとポップアップするところも愛らしい、1970年代を象徴する、ポップなカメラです。

2014年11月11日火曜日

iPhone用 バックロードホーン アイメガホン

東急ハンズに木材を買いに行ったら、面白い商品を見つけました。iPhoneをそのまま台に乗せて音楽を再生すると、音が共鳴してスピーカーになるというアイデア商品です。

売り場に実物が置いてあり、自分のiPhone を置いて試してみると、あら不思議、音が自然に拡がっていくではありませんか!






試聴したのは、オーディオリファレンス用に必ず聴く、アート・ペッパーの「ミーツ・ザ・リズム・セクション」。ペッパーのアルト・サックスが、ミニチュアになって響いているかのような自然な音です。


説明文によると、バックロードホーン構造になっているとのこと。木工工作で組み立てられるという点も興味を惹きました。

箱の中身はこんな感じです。組立図と木片に木工用ボンドがセットになっているだけ。これで定価1.300円(税別)は割高な気もします。

木片はMDFを利用しており、高級感はありません。ちょうど、無印良品で売っている本棚などと同じ素材です。まあ、完成後は自分の好きな色に塗る楽しみもあるということで・・・。



昔から、自作のバックロードホーンに興味があったので、その授業料と考えれば安い買い物かもしれません。

MDFのままでも良かったのですが、木の質感を出したかったので、バイオリンの塗料であるセラックニスを塗ることにしました。セラックは手工品のクラシックギターにも使われる有機素材のニスです。



セラックを塗り終えた状態です。2〜3回は塗り重ねているので、完全に乾くまで一週間ほどかかりそうです。

乾いたら蜜蝋ワックスで表面をコーティングしてみたいと思います。







iPhone 5を載せて音楽を聴いてみました。ロック系ではすこし高音がきつく感じましたが、ジャズや室内楽などはいい感じで響いています。

さすがに、音源がiPhoneのスピーカーなので、低音は期待できませんが、箱庭的に近い距離で聴くにはそれなりに楽しめるのではないでしょうか。

2014年11月9日日曜日

CHINON 35F アンディ・ウォーホルのカメラ

CHINON 35Fというカメラを入手しました。おそらく1980年代前半のカメラだと思います。この時代の主流だったフラッシュ内臓式のオートカメラです。

レンズは35mm F3.8とやや暗めでピントリングも無く、1.5m〜無限の焦点固定式。露出も三段階のみで、フラッシュマークに合わせると、自動的にストロボがポップアップする仕組みになっています。




別にどうということのないカメラなのですが、黒いボディにオレンジのシャッターボタン、手動巻き上げレバー、このクラスにしては見やすくて大きめのファインダー、そして何といっても、握りやすいグリップ内に単三電池2本を格納して使うという、シンプルこの上ないデザイン設計が気に入りました。



2歳の子どものトイカメラ用にと思ったのですが、触っているうちに自分のほうが気に入ってしまいました。

さてこのカメラ、ネットで検索してみると、なんとあのアンディ・ウォーホルも愛用していたそうです。彼が使っていたのはAF付きのタイプでしたが、それを最大限シンプルにしたのがこのCHINON 35Fというわけです。






ウォーホルは、ポラロイドとコンパクトカメラを愛用していて、右の写真で彼が持っているのは、ポラロイドのSX-70とKONICA C35 EFです。

ウォーホルは、チノン以外にもコニカやキャノンのフラッシュ内蔵式のコンパクトカメラを何台か使っていたようです。このうちKONICA C35 EFは、ピッカリコニカの愛称で国内で売れに売れたカメラで、私の実家にも1台ありました。

父が会社の社長からもらったもので、私も何度か借りて撮影したことがありますが、とにかくカンタンでよく写るカメラでした。


他にもコンパクトカメラ使いで有名な芸術家に、アラーキーこと荒木経惟さんがいますが、彼もコニカのBiG Miniを愛用していました。また、愛猫を撮るためにCHINONも使っていたそうです。

ポップアートの先駆者と天才写真家が使っていた、懐かしのコンパクトカメラ。なかなか捨てがたい魅力があります。