2015年4月18日土曜日

Gibson L1(1931)もやって来た! -その1

1929年製のGibson L-1に続いて、1931年製のL-1もわが家にやってきました。見てのとおり、かなりのボロですが、楽器としてはなんとか実用になりそうです。

L-1は、1929年まではボディ幅が13.5インチでしたが、1930年に14.75インチに、更に1932年には14フレットジョイントへとモデルチェンジします。このあたりの仕様変更についてはこのサイトが詳しいです。

写真左側のL-1が1929年製、右側が1931年製です。わずか2年の差でこれだけ仕様が変わったことが見てとれます。ボディのヒップラインの幅が約32mm広くなり、サウンドホールが約41mm大きくなっています。

ちなみにノギスで測ったところ、サウンドホール内径は、1929年製が88.5mmφ、1931年製は130mmφでした。2本を並べてみると、その違いがよくわかると思います。

フレットはともに12フレットジョイントですが、くびれの位置が下にずれて曲線がなだらかになることによって、右膝の上にのせて弾くと、フレットの位置がだいぶ変わります。


13.5インチのL-1は、クラシックギターを参考に設計されたのでしょうが、手の長い欧米人にとっては、フレットがだいぶ手前にきてしまって、かなり弾きづらかったのではないかと思います。おそらく、このプレイアビリティを解決するために仕様変更されたのでしょう。

1930年代中期のL-00と並べてみました。ボディサイズは同じですが、L-1のボディからネックを2フレット分上に引き上げて、サウンドホールとブリッジもそれに合わせて上部に移動させたのが、14フレットジョイントのL-00の仕様であることがわかります。

L-1は1932年に14フレットジョイントに変わり、廉価モデルのL-00へと徐々に移行していきます。

1937年に生産中止となるまでの間、L-00と並行して生産されており、ロゴも“the”が消えたスクリプトロゴで、ファイヤーストライプのピックガードも付いていたので、L-00と間違って販売されている個体も多いのではないかと思います。

実際に弾いてみると、1920年代のL-1とはまったく違うギターだな・・というのが率直な印象です。使われている木材はそれほど大きく変わらないはずなのに、これだけ音が変わるということは、ボディ構造の違いが影響しているのは間違いありません。

両者の弾き比べ結果については、次回に詳しく書こうと思います。

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