2015年7月29日水曜日

Stereo誌 2013年 8月号付録 スキャンスピーク5cm 試聴記

2013年のステレオ誌8月号と付録のスキャンスピーク5cmフルレンジユニットを中古で手に入れたので、さっそくオリジナルのスピーカーを試作してみました。

このユニット、5F/8422T03は非常に評判が良く、同じくステレオ誌の別冊「スピーカー工作の基本&実例集」として、バックロードホーン式とダブルバスレフ式の2種類のエンクロージャーキットが発売されるなど、自作オーディオ派の間ではちょっとしたブームとなった製品です。
今回は、このスピーカーユニットを当方オリジナルのスピーカー「アポロ」に組み込んで試聴してみたいと思います。

アポロは、1合枡と1升枡を使ったスワン型スピーカーで、やはりバックロードホーン式とダブルバスレフ式の2種類があります。

アポロにはリファレンスとして、fostexの6.5cmフルレンジP650Kを使ってきましたが、評判の良い5cmのスキャンスピークが、どこまでP650Kに迫れるのか興味津々でした。

ユニットを1合枡に組み込んで、音道用の穴を開けたヘッドパーツを製作し、さっそくアポロの共鳴箱にドッキングさせてみました。

まずはバックロードホーン式(BH)のアポロA型から。 ロック系の音源(ザ・バンドの「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」)を聴いてみると、スネアの音がスコーンと共鳴する感じで響いてきます。




ダブルバスレフ式(DB)のアポロB型に代えてみると、先ほどのスネアの音は奥に引っ込み、より自然で締まった音へと変化しました。

次に、ギターをフューチャーしたインスト音源(ビル・フリゼールの「All We Are Saying」)を聴いてみると・・・。

アポロB型(DB)では、フロアドラムやバスドラの音が張り出してくる感じで、ハイファイ感が強調された印象。一方、アポロA型(BH)では、ギターと打楽器の音が部屋の奥へと抜けるような開放感が心地よく響きます。

BHとDBという内部構造の違いで、ここまで音が変わるとは・・・。あらためて手作りスピーカーの楽しさを感じることができました。

スキャンスピーク5cmの音ですが、このサイズから、ややきつめの高音を想像したのですが、まったくそんなことはなく、むしろ温もりのあるしなやかな音が印象に残りました。



前出のfostexのP650Kも、サイズの割にはジャズ、クラシック、ロック、ハウス系まで、ジャンルを選ばない優れたスピーカーユニットですが、スキャンスピークは、P650Kの輪郭を丸くしたようなしっとり感のある音で好感が持てました。

爽快で明るい系統の音ではなく、落ち着いた大人っぽいサウンドが、このスキャンスピークの持ち味ではないでしょうか。次はもっと大きめのエンクロージャーにするなど、異なる条件で試してみたいと思います。

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